もう一度出会えたら
その後、彼は大学時代のあの夜の事や他にも気になっていたことなど私の質問に全て答えてくれた。


あのサークルの飲み会の夜も私の予想通り、彼とは何もなかったらしい。


結局彼と初めて体の関係を持ったのは付き合う前には変わりはないけど、彼は大学の時から私を好きだったと言ってくれたから、彼に愛されてるかのような錯覚をしてしまったのは、錯覚ではなかったという事だ。


今日も駅で偶然沙羅と会って少し話しているうちに、私に対する気持ちがバレてしまい協力してくれたのだと教えてくれた。


だから沙羅もいつもと少し違ってたんだ…と納得することが出来た。






『菜々さん…僕を好きになってくれて ありがとう。』


眠りに落ちる直前、耳元で彼の声が聞こえた。


だけどこれは願望が見せた夢でもなんでもない。


紛れもなく彼が私にくれた本物の言葉だと安心して眠った私は今夜とても幸せな夢を見た。
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