もう一度出会えたら
『行ってくるね』
「大翔…ありがとう。行ってらっしゃい」
それからホワイトボードの自分の名前の欄に【KIM建築他 pm5時帰社予定】
と書き込むとフロアを出て行った。
大翔は多分私の返事がどっちなのか感づいてる筈なのに…それでもいつもと変わ
らない笑顔を見せてくれた。そんな彼に私は何を返せる?
どんなに傷つけたくなくても、相手を傷つけずに振ることなんて出来ない…。
だけどその痛みが最小限であるように、そして彼が本当の相手と出会い幸せに
なる事を心から願いたい。
そんな事を考えながら、午後の時間はあっという間に過ぎて行った。
気づくと時計は定時の5時30分を過ぎた所で、まだフロア内に大翔の姿はない。
片付けを始める人や、休憩する人で少しずつザワザワし始めるフロアの入り口で
お疲れ様ですと言う大翔の声が聞こえてきた。その声に入り口付近に目をやると
隣の課の女性に話かけられている大翔の姿が見えた。
そしてその女性と別れるとまっすぐ自分のデスクへと向かってくる大翔。
「お疲れ様。外暑かったでしょ?」
「大翔…ありがとう。行ってらっしゃい」
それからホワイトボードの自分の名前の欄に【KIM建築他 pm5時帰社予定】
と書き込むとフロアを出て行った。
大翔は多分私の返事がどっちなのか感づいてる筈なのに…それでもいつもと変わ
らない笑顔を見せてくれた。そんな彼に私は何を返せる?
どんなに傷つけたくなくても、相手を傷つけずに振ることなんて出来ない…。
だけどその痛みが最小限であるように、そして彼が本当の相手と出会い幸せに
なる事を心から願いたい。
そんな事を考えながら、午後の時間はあっという間に過ぎて行った。
気づくと時計は定時の5時30分を過ぎた所で、まだフロア内に大翔の姿はない。
片付けを始める人や、休憩する人で少しずつザワザワし始めるフロアの入り口で
お疲れ様ですと言う大翔の声が聞こえてきた。その声に入り口付近に目をやると
隣の課の女性に話かけられている大翔の姿が見えた。
そしてその女性と別れるとまっすぐ自分のデスクへと向かってくる大翔。
「お疲れ様。外暑かったでしょ?」