もう一度出会えたら
僅かに差し込む陽の光がまぶたの裏を照らし出すと同時に、夢から醒めたくない意識も夢と現実の間をフワフワと漂い始めた。


うすく開いたはずの視界にぼんやりと映り込んできたのは裸の男性の背中で。


それを見て安堵する。


あぁ、これはまだ夢の中なのだ…と。


せめて夢の中だけでも顔を見たいと願うのに、背中しか見せてくれない事にどうしようもない程の切なさがこみ上げる。


溢れた涙が彼の背中に溢れ落ちていった。
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