キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
スタート
カランカラン。

カウベルの優しい音色。

広いお庭には小さな若葉が、ひょっこりと顔を出して…

春風に木々達が揺れる。

ガーデンウェディングが出来そうな芝生が広がり

花壇には、色とりどりのチューリップが咲き誇っている。

ドライフラワーで飾られたウエルカムボードに、ビスケットのようなドア。

この素敵なロケーションの可愛いお家は…



四人が予約を入れた、イタリアンレストラン。



話していた通りの可愛いらしさに微笑むと…

隣の先生が…苦笑い。

「デートで二人っきりなら…最高なのになぁ~。
今日は四人もお邪魔虫がいると思うと…テンションが下がるよ。」

そう。

今日は、四人が待ちに待ったお食事会の日。

気が進まず、足取りが重い先生を横目に…

久しぶりに、四人に会える唯は…心ウキウキ。

質問もからかいも…きっと先生にいくはずだもん!

それに今日も、先生と一緒にいられる‼

冬休みはあんなに"先生に会えない"って思ってたのに…

春休みは毎日何度も、電話やメールをして…沢山会ってる。

隣に先生がいるだけで、幸せだよ。

12時の予約だから、早目に来て待ち構えるかと思ったのに…まだみたい。

「あぁ~!助かったぁ~
先に来て、ニヤニヤしながら待たれてたらどうしようかと思ったけど…
まだみたいだね~
そう言えば、唯ちゃんは以外に平気そうだね。緊張しないの?」

「うん!久しぶりに会えるから楽しみですよ。
ちょっとはからかうだろうなぁ~って思うけど…いつものことだし。
それに、唯には優しいから。
先生、嫌だったら…帰りますか?
体調が悪いことにすれば…」

「イヤイヤ!
たとえ鬼の集まりでも、唯ちゃんを一人になんてしないよ!
それに、帰ったら後で何を言われるか……
ヘタレ男に唯ちゃんはやれない!!って怒られるよ。」

う~ん……。まぁ~、それはあるかなぁ~。

唯を餌に、先生をからかうのが楽しみになってるから…。



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