Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
今までした事が無い、派手なメイクの腕も上げた。

元々、色白で童顔のあこの顔には、メイクが良く映えた。

側から見たら、お姉なギャルに見えたと思う。
一歩間違えたら、きっと、キャバ嬢に見えただろう。

「あこ~!今日の夜暇ぁ~?」

『暇!暇!超~暇ぁ!!』

上辺だけの簡単な付き合いの友達からは、毎日の様に、次々と、夜遊びの誘いの電話が入る。

本当に暇だったし、別に断る理由もないし…

毎日の様にオール。
未成年のくせに、お酒、煙草。

あこにとっては、そんな毎日が、新鮮で魅力的だった。

あこは、すぐにその“魅力”にどっぷりとハマってしまった。

でも、どんなにしつこく誘われても“合コン”にだけは行かなかった。

それは、中学からの大親友、エリも同じ事だった。

男?好きな人?彼氏?
…面倒臭い。

これが、あことエリの決まり文句だった。
別に恋なんてしなくてもいい。

でも、男友達なら、多くはないけれど、それなりにいた。

あことエリは、2人で居るとなぜだか目立つ事が多かった。

ハッキリ言えば“モテた”

まぁ…良く考えなくても“モテた”理由ならハッキリしてる。

いかにも遊んでそうな外見だったし、服装だって、露出の多い服を着ていたし。

背が低くて、色白。
小柄でお姉系の、あこ。

背が高くて、スタイル抜群。
綺麗系の、エリ。

でも、彼氏は作らない。

友達とバカやるのが楽しい!
2人でバカやるのが1番楽しい!!

だから、恋なんてしなくてもいい。
…そう思っていたのに。
あの夏の、あの日までは…

♪…ピリリリリ…
『…ん…朝ぁ?』

ダルい…ダル過ぎる。
当たり前の事だけど、夜遊ぶと、朝起きれない。

遅刻…さぼり…ズル休み。

次第に大学は休みがちになって行った。
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