甘々なボスに、とろけそうです。
08:全部、食うよ


全部、食うよ
__________*



「ミーコ、昨日、ボスとヤっちゃった?」


翌朝、出社すると、サナエさんから『今日はウィルくん、珍しく朝から来てるわよ。ミーコちゃんのおかげかしら?』なんて言われて、慌ててウィルくんの仕事部屋に駆け込んだわけなのだが。

「おはようございます!」と挨拶して、その返事が今のだ。


「なっ……なに、いきなり!?」


「なにって、セック――」言いかけたウィルくんに、「してないよ!」と言葉をかぶせる。


「お持ち帰りされたんじゃないの? その服、どうせまたボスからもらったんでしょ。ボス、昨日家に取りに来いとか言ってたし」


君は、探偵か。名探偵ウィリアムと呼ぼうか。


「なんにもなかったの?」と疑いの目を向けてくるウィルくんに、「……キスは、したよ」と白状する。って、どうしてこんなことを報告しなきゃならないんだ。

赤面する私を「また林檎みたいになってるね」とケラケラ笑うウィルくんは、今日も黒いパーカーを着ていた。

< 146 / 194 >

この作品をシェア

pagetop