甘々なボスに、とろけそうです。
03:御対面


御対面
_____*.



会社の入口と思われる扉の数メートル手前にはカウンターがあって、そこにタブレットと受話器が備え付けられている。

ソファもある。ここが、会社単体の受付になるのかな。

全て黒だ。社名の書いてある看板から、ソファ、カウンター、入口の扉まで。

床や壁といったビル自体は、雪のように白い。塵一つ落ちていなさそうな輝きを放つ。

……なんともスタイリッシュなフロントである。


「中には、キーがないと入れないんだ」


ならば、ここのソファで兄を待つのが得策かな。会社のすぐ前まで来たとメールすれば、暇を見て来てくれるかもしれない。

しかし……


(中って、どんな感じなんだろう)


「あの、私みたいな一般人は……さすがに入れないですよね?」


言わずもがな無理だよね。こんな、いかにも一流企業ってところに、私が……


「ノープロブレム。ボクが、一緒に入ってあげるね」


Really!?
(ほんとにぃ!?)


でも……どうやって、中に入る気?

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