私は、岡野咲希。
子供を1人で育てると決めてシングルマザーになった。
しかし現実は、甘くない。

働くにも保育園や託児所が
定員数がいっぱいで入れてもらえない。

子供を抱えたままだと正社員やまともな仕事を
就くなんて難しい。

でも、これ以上両親にも頼れないし

最後の望みとして私は、
あの今、話題の巨大オフィスビルの管理人に
応募した。

こんな豪華なセレブが集まったオフィスビルに
無茶なことをしたとも思ったが
どうやら天は、私達親子を見捨てなかったみたいだ。

「えっ?本当にいいんですが!?
子供を連れて来ても……」

「えぇ、構いませんよ。
仕事と言ってもビル全体にトラブルはないか
管理することがメインの仕事ですから
難しくありませんし
ここに居ることがほとんどです。
お子さんの面倒を見ながらここでのんびり
出来ますよ!」

ニコニコしながら面接してくれたのは、
このビルの管理人の田中さん。
優しい笑顔が特徴のおじさんだ。

面接の時もいつの間にか
私自身の身の上話になってしまった。
それでも親切に話を聞いてくれた。

「私も年をとって1人でやるには、
キツくてね……この前なんてぎっくり腰をやったし。
あなたみたいな若い方に手伝ってもらえると
非常に助かります。
明日からでも頼めますか?」

「はい!!
よろしくお願い致します」

深々と頭を下げた。