そのイケメン、オタクですから!

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うちの学校では、生徒会の活動は週に3日と決められている。勉学を優先するため、という理由だけど私には助かるシステムだ。

「選挙まで暇だよなー」
及川先輩が私の入れたコーヒーを啜って「今日は薄い」と付け加える。

「自信満々ですね……」
「当たり前だろ。俺が会長にならなくて誰がなるんだよ」

一応会長に立候補してるのは3人。
一人は名前だけ出してみましたって感じの人だからいいけど、もう一人がやっかいなのに。

2年3組の、斉藤翼先輩。
選挙公約は、学校の伝統を守る。
典型的な進学校を目指し、有名大学への進学が第一優先、という事だ。

どう考えたってアルバイトを認めるような生徒会活動をしてくれるとは思えない。
だから私は、どうしても及川先輩に会長になってもらわないと困る。

斎藤先輩はそれほどイケメンではないもの好青年だし、真面目そうで成績優秀感漂う人だ。
女子の支持は圧倒的に及川先輩の方が高そう。

ということは、やっぱり男子の支持が重要ってことだよね。

「さぁ、先輩、行きましょう」
及川先輩の手をぐいぐい引っ張る。
「は? 何だよ」

何だよじゃないでしょ。
やる気あるのかな、この人は。

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