彼に会うまでの21時間
メリークリスマス☆
 今夜は、大好きな彼とのクリスマスデート。

 彼の部屋で二人だけで過ごす。

 昨日、電話で話したとき、フランス料理を作ってあげる。と言っていた。

 彼は料理が上手だから、すごく楽しみ。美味しいに決まっている。



 店頭販売のクリスマスケーキが全て売れれば、帰っていいと店長さんに言われている。

 売れ残った場合でも、八時に帰れる。

 今日は、一秒でも早く帰りたい。

 六時を過ぎた時点で、あと三個。

 呼び込みの声にも力が入る。

「クリスマスケーキはいかがですか!」

 もうみんな、クリスマスケーキを買ってしまったのだろうか。どんなに声を張り上げて呼び込みをしても、素通りしていく人ばかり。

 あと三個だというのに、なかなか売れない。
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