あなたが生きた足跡
出合い
 今日も運ばれてくる、負傷兵。

 私は主に海軍の負傷兵を担当する看護婦だが中々運ばれてこない。ほとんどは打ち落とされるか、自爆するか、鱶に食べられるかだからだ。来たとしても、その傷は見るに耐えられない。風防が破られ顔面にガラスの破片が突き刺さったり、弾丸が機体を貫通し、眼球が負傷したり、腕 足を負傷するからだ。

 時には力及ばず死んでしまう人もいる。

 見ただけで・・・誰もが諦めてしまう。

 今日も・・・明日も・・・日付はやって来るし、死ぬ人は増える。

 そして・・・決して慣れてはいけない人の死を、嫌、命の意味を誰もがわからなく、助ける事に葛藤がある日々を過ごしていた。


 もう大日本帝国はアメリカに負けるのが目に見えてくる日々。

 私達は兵士を見るだけで分かってしまう。もうこの戦いは
       
       “負け戦”

なんだと、誰もが口には出さないがそう感じる日々をすごさざるにはあえなかった。

   
   “あなたもそんなときに来た。”
 

      
       言ったよね?



“君の笑顔 献身的な看護で俺らは頑張れる”


 “だから、負傷しても手当てを受けれると”


     
     今でもおぼえてるよ。


  あなたは知ってたんじゃないかな?



 
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