エリート上司の甘い誘惑
記憶に残るキスの味
別に、結婚を意識していたわけじゃない。
いつかはするんだろうなって思っていた程度で、具体的な話なんてしたことはなかったし、ましてや指輪を強請ったこともなかった。


だけど。


「おめでとーっ!!」

「お幸せにー!!」


晴天の下、フラワーシャワーが降り注ぐ。
赤やピンク、白の花びらがふわりと吹いた風で舞い上がり、空の青とのコントラストが美しく目に焼き付いた。


世界のすべてが二人を祝福しているように見える。

まさか、こんな構図で、立ち位置で
つい三か月前まで付き合っていた男を見ることになるなんて、思ってもいなかった。


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