イケメン御曹司のとろける愛情
第七章 衝動Escape
 翔吾さんの腕の中に閉じ込められ、熱くキスされ、甘い言葉を耳元でささやかれると、今までの不安なんて頭の中から嘘のように流されてしまう。結局、翔吾さんに溺れるように情熱的な夜を過ごして、朝、気だるいけれど温かな気持ちで目を覚ました。

 目の前には、白い壁と落ち着いたグリーンのカーテンがあって、いつの間にか翔吾さんではなく壁の方を向いて寝ていたことに気づいた。

 寝返りを打とうとして、翔吾さんの抑えた声が聞こえてきて、動きを止める。

「ああ、いや、いいよ。……うん、大丈夫」

 翔吾さんは電話で話しているみたいだ。

 仕事の話かな?

 聞いちゃいけないとは思うんだけど、二十平方メートルほどのビジネスセミダブルの部屋では、入り口ドア近くのワークデスクで話しているのだとしても、自然と会話が聞こえてしまう。

「円崎さんは朝早いんだね」

 翔吾さんの声を聞いて、息を呑んだ。電話の相手は円崎さんだったんだ。
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