イケメン御曹司のとろける愛情

第五章 地上のReality

　頬に柔らかく温かなものが触れて、深い眠りから浅い眠りへと引き上げられた。頬に触れているそれは、私の肌に何度も優しく、まるで愛おしむように触れる。

　なんだろう、気持ちいい。

　思わずふふっと笑みをこぼしたら、今度はそれが唇に触れた。キュッと下唇をはまれて、くすぐったい。

「なぁに、もう……」

　まだ眠たいのに。

　不満に思いながら、重たいまぶたを持ち上げた。目の前に翔吾さんの顔があって、ドキッとする。

「起きた？」

　キリッとした二重の目が優しく細められた。翔吾さんは私の顔の横で肘を突いて頬を支えながら、私を見下ろしている。

　そうだった。私は昨日、翔吾さんと……。

　下ろした視線の先に翔吾さんの逞しい上半身があって、目のやり場に困る。

　恥ずかしくなってタオルケットを目の上まで引き上げた。

「今さら照れてるの？　あんなに俺の腕の中で啼いたのに」