君が嫌いな君が好き
だけど年下の、弟と同い年であろうと言う男に説教されたことが悔しかった。

私のことは何も知らないくせに、まるで知っているかのように指摘してくる生意気なところがムカついて仕方がなかった。

年下のくせに何よ。

弟にだって説教されたことないのに、何をえらそうに説教してくれてるのよ。

何で初めて会った男から説教を受けないといけないの？

酔っ払った勢いで大きな声を出して騒いだことは謝るけど、それと説教は関係ないでしょう？

「はっ？」

彼は訳がわからないと言った様子で聞き返してきた。

「あんた、女に苦労したことがないんでしょ？

黙っていても騒いでいても、女たちの方から寄ってくるんでしょ？」

「まあ、確かに苦労したことはないけどさ…」

「寄ってくる女は選び放題だったんでしょ？」

「意味がわからないんだけど…」

めんどくさいことになったと言う顔をしている彼から目をそらすと、椅子から腰をあげた。
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