君が嫌いな君が好き
週明けを迎えると、シナリオを提出するために会社へと出向いた。

小会議室に通されると、プロデューサーに出来あがったばかりのシナリオのチェックをしてもらう。

「はい、ご苦労様でした」

「ありがとうございました」

今回は特に指摘されることなく、難なくとオーケーをもらうことができた。

カバンを持って椅子から腰をあげようとした時、
「京極さん、今日の午後は何か用事が入っていますか?」

プロデューサーが聞いてきた。

「午後ですか?

今日は特に予定はありませんが…」

この後はお昼を食べながら、他のところから任されている乙女ゲームのシナリオを考える予定だ。

「実は、今日の午後に京極さんに会いたいと言う方がいるんです。

『TOKYO GIRL』って言う会社の社長さんなんですけれども」

そう言ったプロデューサーに私はああと呟いた。
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