溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
シーサイドプロポーズ


夏の終わりの海は、どこか寂しい。
海水浴客で賑わっていたのが嘘のように、静かな波音だけが聞こえてくる。


「ただいま」


玄関を開けると、奥から「美緒奈なの?」というお母さんの声がした。

民宿“上川の浜”もこの夏で終わり。
いよいよこの土地を明け渡すことが決まっていた。

パタパタとスリッパの音を響かせて現れたお母さんは、「あら、眼鏡はやめたの?」と言ったあと目が点になった。


「こんにちは」


京介さんも一緒だったからだ。


「はじめまして。芹川京介と申します」


私の隣に立っていた彼が頭を下げる。

お母さんは「あら、やだ」と言ったきり、棒立ち状態になってしまった。
それもそのはず。
今まで私が男の人を家に連れてきたことはなかったからだ。


「この度は大変申し訳ありません」


京介さんの謝罪に今度はポカンとする。


「ル・シェルブルの副社長なの」

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