癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
私の気持ち
翌朝、カフェのバイトに行く前にさやかさんにメールした。

【さやかさん、昨日はありがとうございました。
お借りしたバッグもお返ししたいですし、
ご報告もしたいので、今日、
クリニックが終わったらお会いできませんか?】

すると、すぐに返事が来た。

【OK!じゃあ、午後5時に
昨日一緒に行ったブティックの向かいにある喫茶店でどう?】

【わかりました。】

通常通り、カフェでの仕事をこなした。
待ち合わせの時間には若干早かったので、
途中でさやかさんへの御礼にグレープルーツを買い、
約束の喫茶店へと向かった。

お店にはまださやかさんは来ていなかった。
店で待つこと10分、ようやく、さやかさんが来た。

「まみちゃん、ごめん。引き継ぎに手間取っちゃって。」

「いえ、こちらこそ、お仕事があるのがわかっていて、
急にお時間をとってもらってすみません。」

「いいのよ。私もどうだったか気になっていたし…。」

さやかさんはハーブティーを私はコーヒーをそれぞれ頼んだ。

「まず、お借りしていたものをお返ししますね。
バッグ、ありがとうございました。
あの、これグレープフルーツなんですけど、
よかったら召し上がってください。」

「気を遣わなくていいのに…。どうもありがとう。
それで、どうだった?」

「夜景もきれいだし、お食事もおいしかったし、
本当に楽しかったです。」

「彼との会話は?」

「あっ、はい。留学されていたころのお話など
仕事以外のお話をいろいろ伺いました。」
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