ビルの恋
B.C. square TOKYO
月曜日。

私はお土産を持って、管理室を訪ねた。
いつものように、紀美子さんが優しく迎えてくれる。

「お土産?わざわざありがとう。これ、夫も私も大好き」

花模様の包装紙ですぐに中身が分かったようだ。
包みを受け取って、紀美子さんが笑顔を見せる。

「でしたら良かったです。お二人で召し上がって下さい」

紀美子さん夫婦は食べ物の好みも似ていて、本当に仲が良い。

「で、どうだった?土曜日」
早速質問タイムだ。

「・・・楽しかったです。最初緊張したんですけど。
品川から羽田に行って、その先が札幌で。びっくりしました」

「札幌?なんでまた」

紀美子さんの質問を受け、土曜日のことを説明する。






< 70 / 79 >

この作品をシェア

pagetop