神様の使い
現在の時刻は朝の6時。

12月も終わりに近づくが
今日は少し暖かい。






しばらく境内の掃除をしていると
後ろから、ポンポン、と肩を叩かれた。



振り返ると、そこには村長さんの一人息子、樹さんの姿。





黒髪短髪の爽やかで、毎朝参拝に来ては挨拶をしてくれて、とても礼儀正しい人だ。





「樹さん、おはようございます」


そう挨拶をして頭を下げると
ニコリ、と微笑んだ。






樹さんは一つ年上の二十一歳、
歳が近いこともあり、とても話しやすい。





「瑞希ちゃん、おはよう。
朝早くからお疲れ様」



村の女性は、この爽やかな笑顔に落ちてしまうという。





「あっ、この後村長さんのお宅に伺う予定なんです」





そう言うと、思い出したように
樹さんは相槌をうった。



「ああ、そういえば父さんが言ってたっけ。

そうだ!境内の掃除、僕も手伝うよ
どうせなら瑞希ちゃんと一緒に行きたいしね」





「えっ、樹さんに手伝ってもらうなんてそんな・・・!」



少し慌てる私を見て、樹さんは「大丈夫」と
軽く笑った。





「僕ら、瑞希ちゃんにはお世話になってるからね。それに一人より、2人でしょ?」




少し考えると、微笑んで頷いた。
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