この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。

Episode3:王子様と同居生活

【美羽side】


***


「んう……」

朝日を瞼越しに感じだ私は、目を閉じたまま手探りで携帯を探す。

あれ、携帯どこだろう……。

今何時頃かな……朝ごはん、作らなきゃ……。

ぼーっとしながら、携帯を探していると手が、サラサラした、何かに触れた。


「んー?」


なんだろう、このサラサラ、ふわふわの感触は……。

気持ちいい、これは一体何……?

不思議に思って目を開けると……。


「え……」


そこには、綺麗な顔立ちのイケメンの寝顔。

私が感じていたサラサラの感触は、目の前の棗くんの髪だった。


「ど、どどどうして棗くんと一緒に寝てるの、私っ」

「ん……ん?」


すると、私の声に気づいた棗くんが、睫毛を震わせてゆっくりと目を開ける。


棗くんはしばらく視線をさ迷わせて、ようやく私を捉えると、ふわりと笑顔を浮かべた。



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