靴磨き……?

 佐丸はその男を見たまま固まっていた。

 死ぬ程偉そうな奴なんだが。

 いや、靴磨きという仕事を下に見ているわけではない。

 執事の大事な仕事のひとつが磨くことだからだ。

 執事は、銀食器から靴まで磨く。

 まあ、銀食器など、英国貴族じゃあるまいし、桜子の家にはないので磨かないが。

 そういえば、桜子が昔、
「佐丸、執事見習いになったのに、磨かないの? 銀食器」
と訊いてきたので、

「ないだろうが、お前んちに」
と言ったら、

「じゃ、買ったら?」
と言ってきた。

「……なんのために?」

「え?
 佐丸が磨くため?」

 いや、意味がわからないんだが。
 俺が磨くために銀食器を買うとか。

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