‐部恋。 Round 02‐

-Story.7



春の新人戦が目前に近づいてきて、練習もハードになり休む暇もなく、ただ時間ばかりが過ぎて行った。

今までベンチ入り出来なかった人はもちろんベンチ入りを目指して…。
今まで先発メンバーに選ばれていた選手は他の選手たちに抜かれないように…。


選手みんなが必死に練習に励んでいる時、マネージャーは陰ながらサポートするのが一番大事なこと。

誰かを特別扱いするのではなく、ただ選手たち全員のサポートをするんだ。


だから勇介や健ちゃんにだけ声を掛けたりなんかしない。

私はきっと試合前になると人一倍おとなしい。


マネージャーの仕事が少しだけ落ち着いて、ようやくグラウンドのベンチに腰をかけた。


『長川、お疲れさん。』

後ろを振り返ると監督が私を見下ろして少し微笑んでいた。



< 338 / 363 >

この作品をシェア

pagetop