おいしい話には裏がある
おまけ・嵐瓏の幸せな日
『あーくん、ハイ、あ~ん。』

今、オレは雪杏とクラブのVIPルームにいる。

毎週土曜日はここだから、雪杏もつれて仕事がてらの見廻りだ。

まぁ、オレはデートだと勝手に思っているが。

で、雪杏は可愛く笑いながら、オレの口にチョコをいれようとしている。

…酔ってんのか?

『早く!』

拗ねた顔もマジ可愛いな。

このままかっさらうか。

加賀には絶対やりたくねぇ。

オレがいつまでも雪杏を見つめていると、痺れを切らしたのかチョコを自分の口に入れて食べ始めた。

「オレにくれるんじゃなかったのか?」

『さっさと開けないから。もう、最後の一個だったのにー。』

からかいついでに、さらにからかってみる。

「お前の口の中にあるやつでいいぞ?」

ニヤリと笑いながらそう言ってみる。
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