ワンコ時々オオカミ

火室のヤキモチ

「佳介(ケイスケ)先輩どうかしましたか?」と真琴は火室を見た。

火室は兄拓斗(タクト)の大学時代の先輩で同じ学校でもないのに真琴も先輩と呼んでいる。
家に遊びに来た時真琴専属メイドの水瀬 美優(ミズセ ミユ)に一目惚れし真琴の父親の会社に就職し秘書として働くようになりジワジワと距離を縮めやっと恋人同士になった。

「美優は見なくていい。」と真琴に資料お突き返した。

「どうしてですか?こないだもそう言って見せてくれなかったじゃあないですか。」と美優は頬を膨らませる。

「ミーかわいい、佳介先輩ヤキモチですか?ふふふ。」と両手で口をふさいで笑った。

火室は真琴をにらんだ。

「そんな目で見ないでください、名前と違って凍りますから、それにミーは先輩しかみえてませんよ。」と美優に微笑む。

「 しかしなぁ〜」と腕を組む。

「本当は私の秘書はミーなんですよ、先輩のワガママで今回だけチェンジしたんですからね。」(ミーは飾りの秘書だけどね。)

「すまん。」と組んでいた足をとき手を膝におき真琴に頭をさげる。

「それに先輩の目で凍らないで溶けるのはミーだけなんですよ。」

「そんな事ないです〜」と顔を赤くしながら下を向いた。

「うふふ。かわいい。」
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