ーー放課後。


授業が終わりの合図が教室内にあるスピーカーから流れた瞬間、あたしは荷物を掴んで一目散に教室を飛び出した。

もたもたしてたらなっちや菜々子に捕まるかもしれないし、菜々子の言う通り数学の小テストはあったし、結果はボロボロだし。全てから逃げ去るようにしてあたしは学校の校門を抜け出した。

約束は今日の17時。まだまだ時間はあるから、一回家に帰って着替えてから行こうかな。

大桜公園は家から自転車で10分くらいの距離にある。本当の公園の名前はなんだったかな。あそこは大きな桜の木があって、気付いた時にはみんながそう呼んでいたから覚えていない。


あたしは空を見上げた。空には雲ひとつない抜けるような青空が広がっている。晴れた空はあたしに元気と勇気をくれる、そんな気がした。

碧波くんと会うのは少しの勇気が必要だった。どんな気持ちで彼があたしに会いたいと言ってきてるのかはわからないけど、あたしが碧波くんと会わないっていう選択肢はないんだ。