「彩虹ちゃん最近、西村くんとはどうなの?」


長い足を組み替えながら、菜々子はあたしの前の席に座っている。


「そやそや、彩虹、いい加減その碧波くんとやらの写メ撮った?」


朝コンビニで買ってきておいたという菓子パンを頬張りながら、スマホを操作してるなっち。

相変わらず会話、メッセージ、食べる事を同時にしてるなっちは忙しそうで、菜々子も呆れた様子でなっちを見ている。


「あー、まだ写真はないかな……碧波くんそういうのあんまり好きじゃないみたい」

「なんや、おもんないなぁ。ほんなら今度合わせてや、学校まで迎えに来たりしてるんやろ?」

「そ、だね。うん、また今度ね」


あたしがそう言うと、菜々子があたしの方を向いてお箸ですくった厚焼き玉子を宙で止めた。


「そういえば、最近西村くん見かけないわよね? 待ち合わせして帰っていないの?」

「う、うん、なんだか今週は忙しいみたい……」


あたしも菜々子と同じく卵焼きを箸で掴んでパクリと頬張った。菜々子のものと同じとは思えないほど、あたしの卵焼きは薄っぺらいし、所々焦げている。それに比べて菜々子の卵焼きはふっくらと厚みがあって、食べ物なのに艶さえあるように見える。

さすがは家政婦さんがいるお家なだけはある。


「そうなの? でもうまくいってるのね。って言ってもまだ付き合いだして間もないものね」


あたしは返事の代わりに水筒のお茶をごくりと飲んでへへっと笑って見せた。

本当は、あれから碧波くんとは会えてない。メッセージを送っても返事がなくて、最後に会った日のことを考えて眠れない日々を過ごしていた。