放課後、渡り廊下。
放課後、渡り廊下。
「……なあ。
おまえ、俺のことどう思ってるの?」
 
見上げると、ちょっと怒ったみたいな宮下くんの顔。
片腕は完全に、私の行く手を塞ぐように壁に付いてる。

……これが所謂、「壁ドン」状態だってことはわかる。

「なあ、どう思ってるの?」
 
怒ったようにそういわれ、私はただ、涙目で見上げることしかできなかった……。
 

その日の放課後、学級日誌を書きながら私は友達と話してた。

「もう、小夜(さや)、適当に書いて早く帰ろーよー」

「そういう訳にはいかないでしょ。
ちょっと待ってて。
すぐ終わるから」

「えー、待てなーい」

「わかった。
昨日、お父さんからお小遣いせしめたから、帰りクレープ奢ってあげる。
だからおとなしく待ってて」

「わーい、やったー」
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