スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
だけど、彼氏ができてご飯を作るのとか、ちょっと憧れだったんだけどな。

さすがに二十七歳にもなって、それは子供っぽい考えだったか……。

「ほら、亮平さん。モールに行きましょ。私、あそこはあまり行ったことがないんで」

彼の腕を引っ張り促すと、その手を引っ張り返された。そして次の瞬間、私は亮平さんの腕の中にいた。

「なにを作ってくれる? 俺、好き嫌いないから」

「え? で、でも、イヤじゃないんですか?」

耳元で聞こえる亮平さんの声があまりに優しくて、さっき電話で感情をあらわにしていた彼と結びつかない。

「イヤだなんて、一言も言ってないだろ?」

亮平さんは痛いくらいに私を抱きしめて、不満げに言った。

「だって、なんの反応もないから……。本当にいいんですか?」

「それは俺のセリフ。ご飯を作ってくれるとか、かなり感動した」

そんなに言われるほどのことじゃない気がするけど、原田部長が以前に言っていた言葉を思い出す。

きっと、亮平さんほどのステータスの高い人は、私たちと感覚が違うんじゃないかと。

本当にそうなのかも……。ご飯を作るだけで、こんなに喜んでくれるなんて……。


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