「じゃあ、亮平さん。近くのスーパーに案内してください」

バッグを肩に掛けると、玄関に向かう。

「オーケー。近くだから、歩いていこう。それと、出かける前に……。実和子、こっち向いて」

「え?」

不意に呼ばれて振り向くと、亮平さんの唇が重なった。あまりに突然で、目を閉じることすら忘れている。

軽くキスをした亮平さんは、苦笑いで私を見た。

「実和子は、案外あっさりしてるよな。俺は、こうやってふたりきりだと、お前に触れたくて仕方ないのに」

「亮平さん……。そんなことないですよ。私だって、浮かれてます。早く買い物に行きたいなって」

ドキドキし過ぎて顔が熱い。亮平さんが、こんな甘いセリフを言う人だとは思っていなくて、戸惑いつつも胸が高鳴る。

「買い物に?」

「はい。だって、スーパーにふたりで買い物って、ちょっと新婚さんっぽいなって……」

言いながら、顔から火が出そうなくらいに恥ずかしくなってくる。

さすがに、今度こそ引かれたかもしれない。そう思ったけど、亮平さんは口角を上げて微笑んだ。

「それなら、手も繋ごう」

指を絡めた亮平さんは、玄関を出る間際私の額にキスをした。

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