スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
亮平さんが案内してくれたスーパーは、マンションから徒歩五分ほどの距離で、大通りを一歩奥へ入ったところにある。

高級食材ばかりを扱うお店で、初めて来た私は、野菜売り場で固まった。

「なに作ってくれる?」

亮平さんは期待をしてくれているようで、楽しそうに私を見ている。

本音はなんでも作りたい。亮平さんが望むものなら、どんな料理も作りたい。

だけど、なんでこんなに値段が高いの⁉︎

普段買う野菜の倍の値段がする。きっと、他の食材も高いのだろうし、これでは手持ちのお金がなくなってしまう。

どうしよう……。

「亮平さんは、なにが特に好きですか?」

動揺を隠しながら質問をする。すると、「和食かな」と返事がきて、ますます焦った。

和食の定番といえば、魚や煮物それに味噌汁だ。それなりに食材を揃えなければいけないけど、こうなったら仕方ない。

お給料日前の厳しい時期ではあるけど、亮平さんのために奮発しよう。

「じゃあ、お魚や煮物にしますね」

と言うと、亮平さんは微笑んでくれた。
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