スパダリ副社長の溺愛がとまりません！

政略結婚ですか⁉︎

ーー二十二時。今日も仕事で遅くなり、駅からマンションまでの道を急ぐ。

今夜は、会社でコンビニ弁当を食べてきたからお腹は満たされているけど、なにかが物足りない。

きっと今朝、優奈に亮平さんとのことを指摘されたからだ。帰ったら、メールをしてみようかな……。

それとも電話にしようかな。声が聞きたいし……。そんなことを思いながら、マンションの前へ着くと、見覚えのある車が停まっていた。

周りの景色に場違いなこの高級車は……。

「実和子、お疲れ様」

運転席から降りてきたのは、スーツ姿の亮平さんだった。笑みを浮かべて、私を見ている。

「亮平さん⁉︎ どうしたんですか？」

驚きよりも嬉しさの方が大きくて、彼の元へ駆け寄っていた。

「実和子が、ちっとも連絡くれないからさ。俺から来たよ」

冗談めかした亮平さんに、私は苦笑いした。

「ごめんなさい。仕事が忙しくて……」

と言うと、亮平さんは頭を優しくポンポンと叩いてくれた。

「いいよ。それは俺も同じだから。今夜こそは、少しでも会いたいなと思って来ただけだから、気にしなくていい」