幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
五、オムライス作ろう。

『待ってて。どうしても今すぐは飛びだせないから。――良い子で待っててよ』
まるで私が飛駒に助けを求めて連絡したかのような口ぶり。
ラスボスのお兄ちゃんにビビらないように心配して連絡しただけなのに。

「お兄ちゃん、ちょっと先に帰って部屋片付けておくね。家族でゆっくりしておいて」
上手く誤魔化せたと自分で自分を褒めながら、急いでマンションに向かった。

飛駒の荷物はどうしよう。
今さら何もなくなっても、隠せるわけないし。
かといってあまりにも、部屋中に飛駒の痕跡があればお兄ちゃんだって不機嫌になるんじゃないかな。

掃除機をかけて、部屋を片付けて、洗濯物を干していたら玄関が開いて、洗濯物を足元に落してしまった。

「やっほ。くく。やべ、可愛い」
私が震えて電話したのに、現れた飛駒は小さく肩を震わせて笑っていた。

「何よ!」
「だって俺、信用ねえなって。ガキじゃねえから今さら誠さんを前にビビって泣くかと思ったの? 俺、まじ子供扱いしかされてないじゃん」

「子供扱いしてない!」
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