物語はどこまでも!
四章。???による世界改竄事件

(ーー)

揺らぐ水面が水面の月を崩していく。
決まった間隔で、さながらピアノのタイプでもするようにポチャン、ポチャンと音を立てて揺らいでいる。
それに合わせて、青年は笛を奏でていた。夜の湖畔に似つかわしい冷たく物静かなメロディ。子守歌に近い音楽は安らぎを与えるそれであるが、青年の心は安らぎとはほど遠い場所にあった。

演奏が乱れる。しかして、なおも吹き続けていたのは、水面の揺らめきが止まらなかったから。

ポチャン、ポチャン。

一拍、一拍、間を置いた音。出所は湖に飛び込む鼠から。

鼠が行儀良く列をなし、躊躇いもせずに湖へ飛び込んでいく。

過程ーー青年の足元に体をすり合わせて。


一匹、一匹。青年の顔を見上げて小さな体を力強く当てては、前へーー湖に飛び込んでいく。

鼠たちがこんな行動をするのはいつからだったか。そう考えるほどに途方もなく前で、最初は言葉もついていた。

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