俺様社長の溺愛宣言

満里奈side

…自分で送ったメールに、今更ながら恥ずかしくなる。

消してしまいたいけど、零士はもうすでに読んでしまっている。

…次からどんな顔をして会えばいいのか。

そんな事を思っていたのに、次の日から何日も会うことなく、すれ違うこともなく、メールも電話も無くて、もしかしたら、嫌われてしまったのかもしれないと思えてならなかった。

「…満里奈の考えすぎじゃない?」

うちに泊まりに来ていた恵がビールを片手にそう言った。

「…でも」

そう言ってしゅんとする私の頭をポンポンと叩く恵。

「…相手は大企業の社長よ?そうそう満里奈に会ったり連絡とったり出来るほど暇じゃないでしょ?」

「…そうだけど」

「…でも、お姉さんは嬉しい!」
「…え?」

「…男嫌いな満里奈が、1人の男の事を想うなんて…相手が大企業の社長ってところがまた満里奈らしいって言うか」

「…私らしいって。別に、たまたま出会った相手が御崎社長だっただけで」

モジモジとする私を、恵はクスクスと笑いながら、ツンツンつついた。

その夜は、恵と二人で同じベッドに入っていつまでも話をしていた。眠りについたのは明け方だった。

…。

…ピンポーン。

お昼過ぎ、インターホンが鳴る。

私も恵もまだ寝ていた。

ムクッと起き上がり、目を擦りながら玄関のドアを開ける。


「…まだ寝てたのか?」


「…お兄ちゃん、どうしたの?」


誕生日以来、久しぶりに顔を見せた一馬に少し驚いた。
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