俺様社長の溺愛宣言
5.俺様社長は諦めが悪い
「…それで?」
「…え?」

満里奈の顔を両手で挟んで、ニッコリ微笑みそう言った零士。満里奈はポカンとした顔をする。

たった今大嫌いになったからと言った満里奈。

たった今大嫌いになったからと言われた零士。

零士の気持ちを完全否定したはずなのに、涼しい顔をしてそんな事を言われ、満里奈は困惑する。

「…大嫌いなら、俺の名前何て呼ばないだろ?」

その言葉に満里奈は面食らった顔をする。

「…で?誰に反対されてるんだ?」
「…いや、あの、御崎社長」

言い訳を探そうとするも、言葉が見つからない。

「… 私、社長の事大嫌いって」
「…大好きの裏返しだろ?」

「…」
「…満里奈ほど、態度が分かりやすい子もいない。兄貴に反対されてる?」

「…違っ」
「…そうなんだな」

「…な、なんでそう思うんですか?」

満里奈は口元を隠して問いかける。

零士はクスッと笑って言い返す。

「…言っただろ?満里奈ほど、態度が分かりやすい子はいないって。今だって、他の質問には口ごもったのに、その質問にだけは即答した。そうだって言ってるのと同じだろ」

…私ってそんなに分かりやすいのかなと、満里奈は自問自答してみるも、自分で分かる筈もなく。

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