千日紅の咲く庭で
Rose
ここにずっといても仕方ないじゃない。

駅前の公園のベンチに腰掛けて、どの位時間を過ごしたのだろう。


ふと、こんなところで一人で悩んでも、家で悩んでも結局一人なんだ、という考えに辿り着いてしまった私は、岳から走って逃げてきた道をゆっくりと歩いて帰り始めた。


とぼとぼと河川敷を歩きながら、我が家に向かって歩くと、少し肌寒ささえ感じる夜風が私の頭をクリアにさせてくれた。

東谷君と一緒に食べた美味しかったディナーだって、まだ数時間前の出来事なのに、もう随分と時間が経ってしまったように感じる。

ディナーで味わったワインで、ちょっとだけ酔っていたことだって今ではもう嘘のよう。


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