王子様たちのシンデレラ(仮)

四天王の素顔

【彩羽side】
「ねえ陽太、わかんない」




「なんでだよ、さっき説明したところと解き方同じだし」




「でもわかんないんだよ!!」




「なんでだよ!!」




シェアハウス生活が始まって今日で一週間。だんだんと慣れてくるなか、少しずつ四天王の素顔が見えてきた気がする。




「陽太、言い方考えてあげなよ。彩羽ちゃん、ここはこの公式を使って代入すればいいんだよ」




「蒼せんぱい…陽太の鬼!!」




ちなみに今日はみんな仕事がオフだし、学年末試験が2週間後に迫ってきているのでお勉強会。




「鬼?恩人に向かってどの口が言うんだよ」




「うっ……」




同学年で、学年一位の成績である陽太に頼りっぱなしのあたし。恩人であることは確かだ。




「まあまあ、彩羽ちゃんはどの教科が苦手なの?」




「え?うーん……」




国語、数学、英語……全部ニガテかもしれない……




「全部って言えばいいのに」



「う、うるさい!!」




陽太にはあたしの心が見えるのだろうか。

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