ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
《6》成功率0の求婚

小陽sideー

「風邪はもういいのか?」

「はい」

お父様はリビングでネクタイを結んでいた。

拓真さんとは会いづらく、無断欠勤。
会社に連絡もせずに休むなんて社会人失格だ。


お父様の紹介で入社した会社なのに、私はお父様の顔に泥を塗ってしまった。



今日こそは出社しようと意気込み、ベットから出て来る。


リビングは沢山の花で埋まっていた。


「この花は?」


「佑介さんからお見舞いの花よ。小陽が風邪を引いて寝込んでるって言ったら…佑介さんったら、心配して・・・」



「お見舞いの花にも程がある…全く佑介のヤツは・・・」


お父様はリビングを埋め尽くす花々を口惜しそうに見た。


花の香りに鼻腔を擽られながら3人で朝食を食べる。





< 52 / 371 >

この作品をシェア

pagetop