[短編]あまいこい
「…食べる?」


彼があたしにカバンの中のチョコを見せてくる。


「…え」


あたしはうまく言葉を発することができない。


だって、彼と話したのは初めてだったから。
同じクラスだけどモテモテの彼は
周りにいつも人がいるし。

あたしみたいな地味子とは住む世界が違うの。


「…見てたから欲しいのかと思って」

「ま、まさか!」


あたしはそれだけ言うとぺこっと一礼して走り出す。


たまたま。
隣に居合わせただけ。
それだけなのに話せるなんて。


< 2 / 27 >

この作品をシェア

pagetop