三人のイケメンパパと、小さな月姫

■子安貝




「計画的なら
机なり、平らな所で
置き手紙を用意するだろう

けれどこの便箋には
不安定な場所、急いで書いた形跡がある
多分、自分の膝の上

所々、穴が開いている場所がある」


「――……」


「そして テレビ」




「テレビ…?」


「月姫は、テレビが好きで ――
だけど、かなり固執した嗜好があるんだ

ニュースや報道番組
大人向けの社会派ドラマには
一切反応しない」


「…それは
赤ん坊だし、派手な動きのもん
面白いと思うべな?
俺だって、子供の頃さ
外国アニメとか、すごい好きだったし」


「それは最初に、俺も思ったよ」


「なら…」


「昼ドラには興味無し

だけど9時ドラ"Lovers Day"
音楽バラエティー"うたバナ"
そして…"CheaーRuu"」


「―――… !!」




「この三つに月姫は、強く反応した

キミはこれについて
どんな"母親像"を、想像する?」



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