断罪アリス

item.4 starting



「へぇー、此処がコトリ君の家かー」



そう言って、部屋をぐるりと見渡す藤邦さん。



あれから場所を彼女の事務所から俺の家に移した。




事務所よりも自宅の方が俺が落ち着けるというと理由だった。



それより……。




「あの、藤邦さん。何で俺がコトリ君なんですか?」



俺は名前の呼び方に疑問を感じ、彼女に問い掛けた。



確かに小鳥遊という名字は≪小鳥が遊ぶ≫と書くが、今までコトリ君というあだ名を付けられたことはない。



「だって、紛らわしいんだもん。君のお父さんは小鳥遊さん、お姉さんはなっちゃんって呼んでるから君はコトリ君」



よく分からない藤邦さんの言葉に、項垂れたくなった。




せめて、そこは下の名前で良くない?










< 74 / 595 >

この作品をシェア

pagetop