「じゃ、お願いします」

あっ。この声は。
椅子の背に目いっぱいもたれ掛かる様にして背を反らせ、パーティション向こうの声のする方に視線を向ける。

「ご苦労様です。」

そう言って、ふんにゃかと笑みを浮かべて領収書の束を受け取っていたのは、我が経理課の鶫和人(つぐみ かずと)主任。
さすがの癒やし系だ。
威圧系として煙たがられる、お局の原元(はらもと)さんとは全く違うなぁ。うん。

目いっぱい伸びをしているおかげで、領収書を持って来てくれた声の主、佐保田明里(さほだ あかり)さんと目が合う。そしてにこっと笑い手を振ってくれた。

かーわいーい。(女の私から見ても)

明里さんが手を振った相手が気になったのか、鶫主任がこちらを振り返り、めっ!という表情を返してきた。
(別に怒ってる訳ではないんだろうけど)

あーすみません。はしたないですよね。仕事中に。
えへへ。

「あ、そう言えばバーベキューなんですけど、二課からは…」

と、鶫主任は今度営業課と経理課と合同で行くことになっているバーベキューについての話をし出した。