男嫌いな女王様とクールな臣下
大丈夫、何とかするから
春妃と食事でもと思って、彼女に会いに行ったけど、そこに婚約者の直哉まで加わって仲睦まじい姿を見ながら食事をする気にはなれなかった。

前野に会う前に、少しでも今、頭の中を占めてることから離れていたいと思ったんだけど。

上手くいかないものだ。

ホテルから下へ降りて、ＢＣエレクトリックがある27階に向かう。

受付を通った時、ちょうど時計の針が3時をさしていた。

「ＢＣエレクトリックに行きたいんですけど」
受付の女の子に声をかける。

「はい、ご予約は？」

「していないわ」

「ＢＣエレクトリックのどちらをお呼びしましょうか？」

「開発部長の前野さんをお願いします」

「かしこまりました」

言い終えると直ぐに電話を切り替えて、オフィスにいる前野さんを呼び出した。

「堀田朱音様がお呼びでございます」

「あっ、忙しいと思うから、こっちからうかがうわ」

わざわざ出て来てもらうのは大変だ。

朱音は、受付の人に、自分から行きますと言った。
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