男嫌いな女王様とクールな臣下
忘れてしまった古い傷
一方、朱音は、面接を終えて前野を送り出そうと立ち上がったところだった。

何が起こったのか分からないけど、世界が回っていた。

気が付いたら、床がどっちなのか分からなくなって、そのまま倒れてしまった。

ちょうど横にいた、前野に抱きかかえられ、床に倒れるのは免れた。彼は、朱音を抱えるようにしてソファに座らせた。

「やっぱり、大丈夫じゃなかったね」

はい、といったつもりだけど、相手に聞こえてるのか自信がない。

前野に心配そうに顔をのぞき込まれる。

体を支えてもらって、彼の手が朱音の額に手を当ててる。

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