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成瀬さんの手を取った。
その夜、私はそのまま、彼のマンションに浚われた。



うつらうつらと、夢と現の境目で、まず最初に気が付いたのはいつもと違う匂いだった。
それから続いて、お布団の感触。


私の家のパイプベッドに布団を敷いただけの硬い感触じゃない。
しっかりしたスプリングと、ふんわりとなんとも言えない柔らかな感触。


同時に、妙に身体が不自由で体勢に限界があって何かに拘束されている感じ。
そしてなぜか、胸元で規則的にふわふわと温かい熱を感じた。


薄ら、目を開ける。
開けたもののぼーっとして、頭が働き始めるのにまだもう暫くかかりそうだ。


随分、深く眠っていた気がする。
ずっと寝不足だった分、その反動からか泥のように眠った。



「んっ……」



布団の中で、ぐっと腕だけ上げて伸びをしようとした時だった。



「……え?」


お腹から背中にかけて絡みついていたものが、剥がされまいとしたのか更にまとわりついてきた。


目線を下に向けて、寝起きのこの現状を理解するのに昨夜の記憶を手繰り寄せる。
大丈夫、服は着ているし貞操は守られている。


あくまで今夜のところは、だけれど。

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