副社長と愛され同居はじめます


「それも、好きな場所に置いていい」

「え」



いいの?
ほんとに?


写真は兎も角、位牌とか嫌じゃないかな。
なんか、インテリアの邪魔になるとか言われそう、と思ったのに。



「寝室でも、リビングでも」

「あ、ありがとう」



衣装の入った段ボールを開ける背中に、ちょっとだけ素直にお礼を言う。



「服はクローゼットに一緒に入れとけばいい……入れていいか」

「はい」



なんだかんだ結局、成瀬さんの思う通りに即日同居になってしまっているのは確かだが。
なんというか、ここまで来るともう、反論する気力も萎えるというか「まあいっか」という諦めの境地になるというか。



「成瀬さんって、思ってたよりちょっと違う」

「どういう意味だ。悪い意味か」

「いや……どうだろう。悪いような良いような?」



自分で言っておきながら、良し悪しの判別がつかない。
彼は仕事はデキるのかもしれないしお金もあるし男として完成品に見えるけど、全く完璧ではなくて、寧ろ……足りない部分が多くある。



「小春は、思ってた通りだった」

「どういう意味ですか」

「思ってた通り、気が強くてストイックというか」

「はあ……ストイック」

「そういうとこが好きだ」


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