藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

先生の絵。


支度が出来た頃に
藤沢先生がリビングから入ってきた。

「あ、おはようございます」

「おはよう……」

ボソッと言うとテーブルの方に行き
座ると新聞を広げ始めた。

「あ、あの……」

朝食を持って行こうとすると
お母さんとお義父さんが起きてきてしまった。

結局
またろくに会話も出来ずにお弁当を
渡すだけが精一杯だった。

ハァッ……難しいな。
藤沢先生と上手く付き合っていくのって。

「百花ちゃん。どうしたんだね?
ため息を吐いたりして……悩みでもあるのかね?」

車椅子で移動していた患者の清水さんに
心配された。

「あ、すみません。
なかなか難しい性格の人と上手く付き合うことが
出来なくて……つい悩んでしまって」

「おやおや。百花ちゃんでも
人間関係に悩むんだねぇ……」

清水さんがフフッと笑った。

そんなに私が人間関係に悩むのは、
不思議かしら?

うーんと考えていたら

「難しくても……同じ人間だから
少しずつでもお互いに歩み寄るしかないよ。
最初は、難しいかも知れないけど……根気よく
話しかければ、いつか分かり合えるものさ。
私や主人のようにね……」

そう言ってアドバイスしてくれた。

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