姫、私は誓います。

君は魔法だ

二週間経っても彼女に変化はない。毒は全て消したはずなのに、そういう問題ではないようだ。黒と白の魔術を極め、医術も極めたけれど自己回復力が一番重要だ。彼女の自己回復力が高いのか低いのか定かではないが、少なくとも彼女を見る事によって多くの人の自己回復力が上がるだろう。
私も彼女の笑顔に助けられた事がある。一度や二度ではなく数え切れないほどだ。その中で一番記憶にあるのはただの風邪を引いた時。独り身の私を看病してくれる人はいなかった。この城に来て専属の医師をしている私は用意された狭い部屋で一人、熱にうなされていた。

「大丈夫ですか・・・?」

心配そうに眉をハの字にした姫とラーク、ルークがお粥を持って看病しに来てくれたんだ。風邪を移してはいけないと思う私とは裏腹、姫たちは風邪に効く色んな道具を持ってきてくれていた。

「熱には首が付く所を冷やすといいんですよね?」
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