今度は日本を救います
「じゃあ月見里さんだけは特別に1対1で指導を受けてもらうよ。ここにいる9人は他の人達に教えないといけないから、明日までに別の人を呼んでおくよ。その人に教えて貰ってね」



「分かりました。ありがとうございます」



私は部屋を出て、また職員室の先生達に挨拶しながら退室した。


思ったよりも時間がかかってしまい、急いで校門に立っているお兄ちゃんの元へ向かう。



「お兄ちゃん!」



「遅かったな。……結局どうするんだ?」



心配そうなお兄ちゃん。


ごめんね、もっと心配かけるようなことを言うよ。



「武器で戦うことにした」



「は!?他にもなんか無かったのか!?」



「サポートするか、普通に授業をするか、って選択肢があったよ」



「じゃあなんで!!」



「みんなが一生懸命頑張ってるのに私だけ、って良くないと思う」



「本当昔から正義感だけは強いよな……」



そんな正義感、異世界に行って失われましたね。


正義だけでは生きてけないんだよ、お兄ちゃん……


今の私はただ面白いから、っていう理由だけで選ぶ下衆野郎だよ。


魔法使い達よりも厄介なお兄ちゃんを説得するのは、次の日の朝までかかった。

< 20 / 114 >

この作品をシェア

pagetop